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目が覚めた美和子に見えてきた
鮫島家のちょっとヘビーな家庭内モラハラの姿です。
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その理由はモラハラだから

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籍をいれたとたん、冬彦さんはまさかの豹変。嫁は自分の所有物だと思っていて、一切気を遣わなくなったみたいです。思い通りに動いてくれないと腹を立て、罰やしつけのつもりで言うことを聞かせようとひどく怖がらせます。

「最大の味方」であるはずの夫が、「世界で一番残酷」で「敵」になってしまった絶望感は言葉では到底言い表せすことが出来ません

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美和子は「今すぐにでも逃げ出したい。だけど子どもをもう巻き込めない。成人するまで責任がある」そう思って歯をくいしばるのですが、体は正直で、多くの心身症に悩まされます。

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彼らは

「やりたいことをやりたい」と思っている人たちです。

戦前の家制度や教育勅語などの教えが息づいているので

「面倒なことになったら、嫁さん、自分の世話を丸ごとよろしくね」と気楽に考えているようです。

​「尻拭いは私がさせられるに決まってる」

と美和子は不安でたまりません。「いやだ」本心ではそう思っていても、その気持ちを押し殺してしまう。どうやら美和子の中にも、実家由来の戦前の価値観が存在し、介護は嫁の義務なので逃れられないと思い込んでいたのです。

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美和子は子どもの頃から、「どんなことも話し合って解決しあう家族」に憧れてきました。今までの人生ひどく誤解され濡れ衣ばかりかけられてひどい目にあってきたけれど、それはたまたま何かが間違っていただけで、ちゃんと話し合いさえすれば、誤解が解け、きっと分かり合えると信じていたのです。

 

だから話し合って解決しようと、近づくと、責められると勘違いした冬彦さんは​非常に恐れて、猛烈な先制攻撃を仕掛けて来るのです。

 

美和子の弱点ボタンを押して、トラウマを呼び起こしパニックに陥らせているそのすきにまんまと逃げてしまうのでした。

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絶望と混乱の毎日。美和子の頭の中は一日中、どうすれば安心して安全に暮らせるのかそればかりを考えていました。また子どもたちに害が及ばないか、ひどく心配していました。

とにかくもうこれ以上ひどい目にあいたくなくて、冬彦さんを常に観察し、怒らせないように、刺激を与えないように、戦略を練り続ける生活をおくっていたのです。

 

そうしているうちに、彼ら以上に彼らのことに詳しくなり、自分の世界はどんどんしぼみ、反対に彼らの世界で埋め尽くされてゆくのでした。

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​また、世間の苦労話を聞いてひどく不安になります。私だけじゃない。みんな苦労しているのに、これしきのことで文句言うなんて、自分は、わがままなんじゃないのかなと思えてきたりするのです。

冬彦さんたちの、いい面を発見した時に、悪く思っていた自分に罪悪感を感じ自分の感覚はおかしいのかなと自分を疑い始めるのでした。

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そのようなことを繰り返しているうち、どんどん混乱し頭が変になりそうになります。めちゃくちゃ不安になり、誰かに打ち明けてわかってもらったり助けてもらいたくなります。

 

でも、モラハラの専門家ではない人に相談するのは誤解され二次被害に合ってさらに傷ついてしまいます。モラハラは体験した人にしか、理解できないと言われていますが、その通りだと思うのです。

 

モラ夫は外ではとてもいい人で、好感を持たれています。とくに共通の知り合いに話すことは相手をひどく戸惑わせ心の痛みを引き起こしてしまうでしょう。​心から心配して耳を傾けようと努力してくれるのでなおさらです。

何と言っても、モラハラが非常にわかりにくい一番の理由は、言葉の暴力だけではなく、支配するために様々なテクニックを使ってマインドコントロールをするからです。支配したい相手の恐怖や義務感や罪悪感をあおり、繰り返し人格否定の言葉を刷り込んだりと、長い期間、心にグジグジとダメージを与え続け、奥深くに染み込ませて自尊心を下げ、言いなりにさせるので実態が形にならないのです。

しかも家庭という密室で夫婦の間で起きていることなので、家族にさえ気づいてもらえない、いじめる方も自分を正当化して徹底して守り自覚がなく、いじめられている妻も自分に何が起きているのか理解ができない。トラウマになる。それが家庭内モラハラの恐ろしいところだと思います。

    

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