ショックやわ!!私ら、一生懸命あんたらのために尽くしてきたやんか。恩知らずなんとちゃう?
何にも知らんくせに、勝手に悪く言わんといて欲しいわ!
なんやねん、このホームページ。何デマでっち上げてねん。
おおっと、ウメさん怒り心頭なご様子。
確かに、その通りかも。あなた方の立場から見れば。
でもね、支配、いじめ、暴力は絶対に許されないことだよ。
その上で、モラハラをする人の立場に立てば、ハラッサー(いじめる人)にもハラッサーなりの事情があるかもしれないと、美和子は気になってずっと探してきました。
それをやっと見つけました。なんでそんないじめができちゃうの?って理由。
それがわかった時、真の癒しが得られ始めた気がします。
見つける作業はすごくしんどかったです。
プロセス中、相手を復讐したくなるか、過剰にかばうかになって、かばう自分を自分で攻撃して自分が二つに引き裂かれたようになりました。
それでも諦めず探し続けたのは、モラハラの環境下は残酷で耐えられなくなったからだと思います。ズタズタになっていた自分を救うしかこの先、もう生きていけないというところまで私は追い詰められていました。
加害者への怒りや恨みを手放して、ありのままの自分を取り戻したい、その一心で、この人たちの立場に立てば、これはどう映るのだろう?という視点で探りだしていると変化が出てきました。
まず、美和子の中で答えが見つかるたび、恐怖心がどんどん小さくなっていったことです。
ハラッサーは相手を恐怖で支配するので、こちらに恐怖心がないとモラハラができなくなってしまうのです。「恐れないこと」が、何よりも重要なんだなあと思います。
そうなるには、加害者の立場や気持ちや、彼らの生態を詳しく知って「うわーしょぼい。全然怖くないやん」と心の底から彼らに呆れかえることが必要だなあと思いました。
まずはその辺りから、鮫島家を例にしてハラッサーの正体を伝えていきたいと思います。
当時の様子を美和子が見たわけではないので、推測でしか書けないのですけど、ウメさんや冬彦さん、ご親戚の方が話されていた会話に基づいて、出来るだけ忠実に再現しようと思いまーす。
ここは、冬彦さんが生まれた当時の鮫島家の様子です。
一人っ子長男の冬彦さんは、大切な跡取りとして、二人のおばあちゃんと母親のウメさんからそれはもうアツすぎる愛と濃厚なケアを受け育ちました。
自分も大好物のケーキを我慢して孫にあげようと差し出したおばあちゃんを見た冬彦さんの心の声;
変なの。何でいらないんだろう?好物だから食べてあげてもいいけど残したら悪いかな。
嬉々として孫のケアにいそしむおばあちゃんたち。おやつのブドウだって、タネも皮もむいてお皿に盛り付けてくれます。昭和初期の時代は、女性は男性のためにケア役割を担わされていたと聞いていましたが、こんなことが本当に行われていたんですね(引くわー)。
学生の頃のお出かけ風景
昔の男性たちは「仕事で疲れた夫を笑顔で迎え、ねぎらい、居心地の良い空間を提供する。それが主婦(妻)の務め」と女性に期待していたのだとか。
妻たちは、夫に家族より一品多くおかずをつけて特別感を出していい気持ちにさせてあげていたとか、自分は一番小さいやつとか、焦げたのとか失敗したとこを食べる。という生活していた人が多いみたいです。
なんかやだね。
でもなあ、美和子もそういう意識が染み込んでる気がします。普通にやってたこともあります。母が同じようなことしていたからかも。
料理をするのが私なので、作り手って、キレイで美味しい部分は人にあげたくなる。それはいいと思うんです。でも自動的にそればかりやってて、気がついたら自分は焦げとか端っこのカケラとか、そういうのばっかりで、いつも満たされない思いを抱えている。なのに夫は何にも気づかないで、栄養過多でテラテラに太ってる。気にもしてもらえない。なんか変だよ。そんな風に今も男尊女卑は世の中に色濃く残っているんじゃないかなと感じます。
だから、今も甘やかされて育った一人っ子長男の冬彦さんは、特別にしてもらってもそれは当然って思ってるらしく「家族だから当然でしょ」と言います。
男としての特権も持っていると思っていてエヘンと思ってるので、当たり前と信じているわけ。
私はそんなのムカつくので金輪際サービスなんてしないよって思う。だけどしてもらえないとショックを受けて、察しろといじけて攻撃してくる。すごくめんどくさいなあって思います。
では、昭和初期の女性はどうなのだろう。
過去ウメさんも、「嫁の時代」は、姑に尽くして「主婦の鑑」に徹していたのかな。
と、思ったけどそんなヤワじゃないんじゃないかって思うわ〜。
嫁の頃から、鮫島家のトップに君臨していた様子が垣間見えるんですよねー(^◇^;)
これ、私がここに嫁に来てから
ずっと作ってきたお雑煮や。
私の子どもの時から
お正月には欠かさず食べてきてん
おっしゃっていることの
意味がわからないんですけど💦
以上のような暮らしや文化が、冬彦さんの生まれ育った鮫島家の環境です。
冬彦さんは、自分は「特権階級」であり、周りの女性たちの対応から、空気を吸うように「男尊女卑」を吸収し「強いもの(優秀なもの)が自分の思い通りにするのが当たり前」と理解したのだろうなあと思います。
なんつーか、ボクは特別な人間みたい。だって何も言わなくても、望んだらどんなことも思い通りになるもん。何でも持ってるから別に欲しいものはないけどね。
自分から働きかけなくても先々に周りが察して与えてくれ、言葉を選んだり相手の気持ちを汲み取りながらコミュニケーションを工夫したり、苦労して交渉なんてする必要なんてなかったんだと推測できます。
だから、望むものは何でも手に入る環境は「自分は偉くてみんなが世話を焼いてくれる」というイネーブラにはどう逆立ちしても訳のわからないウザイ勘違い(万能感)を育むきっかけになったのだろうなあと思います。
書きながら気づきましたが、常に満たされてて野心がないなら、穏やかでやりやすい人じゃない💕などと思っちゃいそうですが、それが違うのよ(T . T)。
お腹がいっぱいの時は安全だけど、彼らはライオンと同じです。心の飢えに我慢できなくなった途端、飛びかかってきて、情け容赦無く我々イネーブラーのエネルギーを貪り食うのです。そして飢えが満たされたら、またボンヤリのどかに無邪気に、ほのぼのと過ごす繰り返しです。
どうやら本人たちは、そこに感受性がない。犠牲になったものの痛みがわからない。
「俺のものは俺のもの、お前のものは俺のために用意されたもの」と胸を張って言い放つ姿に「つける薬がない!」と多くのイネーブラーたちがめまいを感じ、凍りつくの理由がそれです。表面は無邪気ですが、その裏にギラギラした底なしのハンターの野心を感じるからです。
エネルギーさえ補充しておけば、衣食住は保障され快適な環境なので、常に満たされてぼーっとしたまま漂うように生きていることができます。でもそれってまるで、お腹の中で漂っているときの赤ちゃんの環境に似ているなあと思います。
では、この楽園のような鮫島家から外界へ出た時、彼にどんな変化が起こるでしょうか。
次回はそれを深掘りしてみたいと思います。